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カルデンシュタインの吸血鬼

公開日: : 吸血鬼小説

1938年 フレデリック・カウルズ(Frederick Cowles)

※ネタバレしています※

「ぼく」は、休暇を利用し、バイエルン地方に旅行し、道に迷って「カルデンシュタイン」という村に迷い込む。
夜、宿から散歩に出て、月明かりに浮かぶロマンティックな小城を見かける。
宿に帰って、パブで飲んでいる客たちに「あの城は誰のものか」と聞くと、客たちはそれには答えずに、皆席を立ってしまう。
宿の主人は、城がカルデンシュタイン伯爵のものだと教えてくれる。
宿の主人が言うには、「伯爵は、300年ほどもあの城に住んでいる。彼は、人ではなく吸血鬼。昼は、城の岩山の洞窟で眠っていて、夜だけ活動する」
「ぼく」は、それを馬鹿馬鹿しいと一笑に付す。

「ぼく」は、自分の部屋に入り、宿の主人に「必ず窓を閉めて寝なさい」と言われたのに、開けたまま寝てしまう。
すると、真夜中に、部屋の中に背の高い男が立っていることに気づく。「ぼく」が、木の十字架をつかむと、男は窓から外に消えた。「ぼく」は、それが現実とは思えず、夢だと思い込む。

次の日、「ぼく」は村の司祭に会い、教会を見学させてもらう。
司祭に、カルデンシュタイン城の、「300年生きている伯爵」のことを聞くと、「邪悪なものを笑ってはいけない。早くこの村を立ち去りなさい。城には近づかないで」と言われる。
しかし、司祭の忠告を無視し、その後カルデンシュタイン城を見学に行く。城の下男は、城を見せてくれるが、伯爵には会わせてくれない。
「ぼく」は、強く頼み込み、伯爵と、夜に面会する約束を取り付ける。

その夜、城を訪ねると、ワインが振舞われる。しかし、伯爵自身はワインを飲まない。
「ぼく」が、うっかりワイングラスを倒し、グラスの破片で手を切ると、伯爵は、テーブルにこぼれた血を舐め始めた。
「ぼく」は、伯爵が普通でないことに、今更気づき、帰ろうとするが、許されない。
次の日の夜、伯爵は、自分の叔父と従兄を連れてきて、「ぼく」を餌食にしようとする。
そこへ、聖体の力を借りた村の司祭が、救出に現れる。

●登場する吸血鬼の特徴
・明らかな「ドラキュラ型」。
・最後に、司祭が十字架・聖水・祈祷で清めても、カルデンシュタイン伯爵は滅びない。また吸血鬼として動き出すだろう、というエンディングである。

《邦訳状況》
●ハヤカワ文庫「ドラキュラのライヴァルたち」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。

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