*

墓地の管理人

公開日: : 最終更新日:2014/12/11 吸血鬼小説

ジャン・レイ(Jean Ray)

※ネタバレしています※

「あっし」は、仕事も、金もなく、ある町に流れ着いた。
その町の、親切な居酒屋の親父が、セント=ギトン墓地の、管理人の仕事を世話してくれた。

仕事仲間は、ヴェリッチョとオシップ。二人は、ルンペン同然の「あっし」に、暖かい服と、たっぷりの食事を用意して迎えてくれた。
「あっし」に、仕事らしい仕事はなく、墓地を巡回するだけ。外部には出ない、連絡も取らないとの規則があり、生活は単調なもの。
セント=ギトン墓地は、8年間埋葬が行われたことはないという。そして、これからも、行われることはない。なぜなら、オポルチェンスカ公爵夫人が、この墓地を買い取り、自分を最後に、ほかの人間は誰も埋葬できないようにしてしまったからだ。

三人の中で、オシップが料理人を務め、食事を作る。非常に腕のいい料理人である。
オシップは、「チャー」とか「スカー」とかいう飲み物を作ってくれる。これを飲むと、あっという間に眠気を催す。

良い食事と、単調な生活で、「あっし」は太るかと思いきや、なぜか衰弱するばかり。そして、左耳の後ろに、妙な傷ができて治らない。
ある日、「あっし」は、ほかの二人は、自分と一緒にチャーを飲んだふりをするが、飲んでいないことを知る。
「あっし」は、二人のお茶にチャーを混ぜ、二人を眠らせ、夜中に何が起こるのか確かめようとする。
すると、窓から何かが侵入してきて、「あっし」の左耳の後ろから血を吸い始めた。
「あっし」は、自分を吸血のいけにえにしたオシップとヴェリッチョを撃ち殺し、吸血鬼と化したオポルチェンスカ公爵夫人も撃ち殺した。

●登場する吸血鬼の特徴
ドラキュラ型吸血鬼の一種。
・吸血場所は、「左耳の後ろ」。喉ではない。
・多分、普通の銃で撃ち殺せるらしい。
・吸血鬼になったいきさつは不明。
・恐ろしい叫び声を上げる。
・生前の姿の描写は一切無く、美女かどうか不明。

《邦訳状況》
ハヤカワ文庫「ドラキュラのライヴァルたち」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。

関連記事

謎の男

作者不詳。 ※ネタバレしています※ ●ストーリー オーストリアの勲爵士、ファーネンベル

記事を読む

吸血鬼ドラキュラ

ブラム・ストーカー(Bram Stoker)作 1897年刊行(イギリス) 世界で一番有

記事を読む

生ける亡者の死

E・エヴァレット・エヴァンズ(Edward Everett Evans)作 ※ネタバレしていま

記事を読む

吸血鬼

L・カプアーナ作 ※ネタバレしています※ 詩人ジョルジは、自分の家で起こった怪異を、医師

記事を読む

吸血鬼の静かな眠り

赤川次郎作 ※ネタバレしています※ 中学生の敏子は、家族とともに貸し別荘(持ち主は外

記事を読む

狼女

バセット・モーガン作 ※ネタバレしています※ 死んだ生物を蘇生させる方法を開発したスタム

記事を読む

噛む

アントニ・バウチャー(Anthony Boucher)作 主人公タラントは、西部のある町にやっ

記事を読む

ヘンショーの吸血鬼

ヘンリー・カットナー(Henry Kuttner)作 ※ネタバレしています※ チャーリー

記事を読む

生ける亡者の恐怖

マンリイ・ウェイド・ウェルマン(Manly Wade Wellman)作 「わたし」は、吹雪の

記事を読む

アヴロワーニュの逢引

クラーク・アシュトン・スミス作 ※ネタバレしています※ 吟遊詩人のジェラールは、フルーレ

記事を読む

PAGE TOP ↑