ロス・ニーニョス・デ・ラ・ノーチェ

ティム・サリバン(Tim Sullivan)

※ネタバレしています※

映画記者アントニアは、50年以上前に作られた伝説の吸血鬼映画、「夜の子供たち」のスキャンダル(撮影から公開までに、主演俳優を含め、三人の人が死んでいる)について取材し、当時の助監督、エステバン・モントーヤのいるレスト・ルームを突き止めてインタビューを取る。
以下、エステバンの証言。
「映画の主演俳優、ドン・カルロス・リベイラは、いつも日が沈んでから現場に現れた。彼はみんなと一緒に食事をしなかった。そして、吸血鬼の演技は真に迫っていた。カルロスは、ポルフィリン症という珍しい病気にかかっていて、イローナという看護婦を連れていた。ある日、映画のスクリプト係の女性が、衣裳部屋で、失血で死んでいるのが見つかった。
その後、ほぼ同じ状況のもとに、女優が一人死んだ。首には、小さな穴が二つ開いていた。
自分は、カルロスが吸血鬼ではないかと疑い、なぜか自分を訪ねてきた神父の力を借り、吸血鬼の本性を表したイローナとカルロスの胸にを打った。すると、祈ってくれるはずの神父が、突如吸血鬼に変身し、自分に襲いかかってきた!」
ここまで話して、エステバンは黙ってしまった。
アントニアは、頭のおかしい老人のたわごとを聞かされたと思って帰路につく。帰り際、レストルームの管理人が「エステバンは夜は眠らない」と言うのを聞く。
アントニアが夜道を一人で歩いていると、「近くで殺人事件が起こり、女が出血で死んだ」との会話が聞こえてきた。アントニアは急に怖くなる。
誰かが、自分の後をつけて来ている。ずいぶん若く見えるが、あれはエステバンではないのか……。

●登場する吸血鬼の特徴
・夜行性
・吸血以外の食事はできないらしい
・首から血を吸う
ドラキュラ

●本作に登場する、伝説の吸血鬼映画「夜の子供たち」は、明らかに「スペイン語版 魔人ドラキュラ」をモデルにしている。
●ということは、ドン・カルロス・リベイラのモデルは、カルロス・ヴィリャリアスであろう
●本作は、「エステバンが吸血鬼かどうか」の結論を描いていない。アントニアが夜道を走る描写で終わっている

《邦訳状況》
●竹書房「妖魔の宴 ドラキュラ編2」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。

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