著者:種村季弘
吸血鬼について、きわめて文化的に研究した書である。
西欧・東欧の吸血鬼伝説の、歴史的背景から、吸血鬼映画・小説・絵画まで、著者の博識を駆使して紹介してくれている。
現在でこそ、吸血鬼研究本は珍しくないが、本書はそのパイオニアともいうべき書である。(本書の出現前の吸血鬼研究本は、あまりにも特殊だった)
本書は、昭和45年に薔薇十字社より単行本として出版され(現在は絶版)、昭和58年に河出文庫に収録されている(現在は品切れ中)。
薔薇十字社版は、古書店にあるものは、高額である場合が多い。5000円で見つけられたら万々歳である。初版にこだわらない方には、河出文庫のものを、数百円で入手なさることをおすすめしたい。(アマゾンなら、運がよければ1円で出ています)