血は命の水だから

F・マリオン・クロフォード(Francis Marion Crawford)

※ネタバレしています

南イタリアに、塔のある別荘を持つ男が、ある日その家に友人を招いた。
夜になり、塔から外を見ていた友人は、近くにある塚に月光がさし、その上に死体が乗っているように見える、と言い出す。(この部分がすごくいい!)
男は、塔の使用人アントーニオに聞いた話を語り始める。

「少し離れた村に、アラリオ爺さんという、金を溜め込んでいる男がいた。息子はアンジェロ。村にはアンジェロを愛しているクリスチーナという娘がいた。
アラリオ爺さんが倒れた夜、クリスチーナは村の外に医者を呼びに行かされた。しかし、クリスチーナが帰る前に爺さんは死に、爺さんのそばに人がいなくなったのを見計らって入った盗人に、財産は盗まれてしまった。
盗人たちが、山の中に盗んだものを隠しているところに、医者を見つけられずに帰ってきたクリスチーナが通りかかった。盗人たちは、クリスチーナを殺して埋めてしまった。
爺さんの死後、しばらくしてから、息子のアンジェロは、仕事の帰り道の山中で、クリスチーナに会い、血を吸われる。
それから、毎日のように、アンジェロは操られるように同じ場所に行き、クリスチーナに噛まれた。
ある日、その現場を、アントーニオが目撃した。アントーニオはこのことを、村の司祭に相談し、クリスチーナの墓を暴き、杭で胸を刺して鎮めた」

荒俣宏氏によれば、「月光の夜半に読むべき名作」である。

邦訳状況

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