※ネタバレしています※
ストーリー
主人公は、ふらりと入った骨董店で、不思議な本に魅せられ、「売ることはできない」と言う店の主人を説き伏せて借り受ける。
本は、骨董店の主人の弟、アレサンドロ・ラーラの書いたものだった。(骨董屋の主人が言うには、アサンドロは原因不明の病気で衰弱し、狂死した)
本の最初のページには、血で書いたような赤い文字で、なぞめいた言葉が書かれていた。
内容も、まったく奇怪で理解しがたい文で、不安を掻き立てられた主人公は、ふらふらと夜の街に出て行き、入り込んだ屋敷の中で、犬を連れた不思議な女:パウルに出会う。パウルは、自分と弟の身の上を話したが、突然消えてしまう。
次の日もパウルに会いに行き、彼女の写真を撮ると、彼女は怒り狂って去る。現像した写真には、彼女の姿は写っていなかった。
それから主人公は寝込んでしまい、医者の診断は「貧血症と思われる。首に小さな傷がある」。
病床で、ラーラの本を最後まで読むと、「パウルとその弟は吸血鬼だ」との文字があり、主人公は自分もその餌食になったことに気付く。
登場する吸血鬼の特徴
- 写真に写らない
- 首から血を吸う
- 昼間は、棺の中で寝ている
- 胸に杭を打って殺すことができる
邦訳状況
- 新人物往来社「真紅の法悦」に「黒の告白」のタイトルで収録。
- 原書房「吸血鬼伝説 ドラキュラの末裔たち」に収録。仁賀克雄訳。