16世紀末のハンガリーに実在した、「血が欲しくて600人以上も人を殺した」伯爵夫人。人血をエステ目的で集めようとした人。
居城のチェイテ城に、奉公させると偽って近隣の娘たちを集め、血を搾り取っていた。
共犯者はトルコ、ヨー・イローナ、フィツコなどの使用人たち。
悪行の発覚は、城に集めた娘たちのうちの一人が逃げ出したことによる。その娘がチェイテ城で行われていることをハンガリー王に訴え、城に捜査が入り、すべてが露見してしまった。
捉えられたエリザベートは、チェイテ城にたった一人で軟禁され、約三年後に死亡しているのが発見された。
この三年間、一切の弁明なし。謝罪や後悔の表明も無し。だんまりを決め込んで、ただただ世間と隔絶して閉じ込められる生活を受け入れた。
600人もの人間を手に掛けたのであれば、受けるべき罰は死刑が相当と思われるが、彼女がそれを免れたのは、ひとえに家柄の格が高かったという理由による。身分高き親類の懇願で、身分高きエリザベートは幽閉されるにとどまったのだ。
彼女が死後に吸血鬼になったのかどうかは定かでないが、信心深いハンガリーの民の間でそのようなうわさが流れたとしてもおかしくはない。
「実在の吸血鬼」として有名な人で、「男性吸血鬼」は何人もの名が挙がるものだが、「女性吸血鬼」はエリザベートの独壇場である。とにかく、「600人超」という数字が圧倒的で、同格で張り合える人材が一人もいない。おそらく、これから先も出ないだろう。
フィクションに出てくるエリザベート・バートリ
女吸血鬼としては、フィクションの世界ではカーミラ、ノンフィクションではエリザベートの知名度が他を圧倒して抜きんでている。そのため、フィクション作品中に引用されたり、パロディ作品に登場することが多い。例えば、エリザベートなら、