ロバート・ブロック(Robert Albert Bloch)作
※ネタバレしています※
ストーリー
グレアム・キーンは、墓の中で目を覚ました。
生きながら埋葬されたと思い、必死で墓から抜け出し、墓地の中で出くわした人に救助を求めたところ、
「私も君も吸血鬼だ」
と言われる。
キーンは、吸血鬼氏の家に連れていかれる。急に「お前は吸血鬼だ」と言われても信じられないキーンに、吸血鬼氏(氏には名前が無い)は、吸血鬼について説明する。正しい吸血方法についても、教えてくれる。
キーンは、吸血鬼氏に連れられ、初めての吸血に出かける。ドライブ・インのウェイトレスを、キーンは餌食にした。
吸血鬼氏は、1777年に死に、その後160年ほど、吸血鬼として生きている。
その間に、吸血鬼の資料を集め、吸血鬼一族で人間を支配しようと計画を立てている。その計画にキーンも引き込むつもりで、キーンを噛んで吸血鬼にしたのだという。
キーンは、吸血鬼氏の計画に賛同する振りをして安心させ、次の日、墓場に吸血鬼氏をおびき出し、掘った穴の中に落として埋めてしまう。
キーンは、吸血鬼の世界支配を打ち砕き、誰かが杭を持って自分のところへ来てくれるのを待って、この手記を書いている。
登場する吸血鬼の特徴
- 青白い顔
- 赤い唇
- 赤い目
- 影が無い
- 氷のように詰めたい手
- かび臭い
- 鏡に映らない
- ニンニクは、特に嫌いじゃない
- 水の上でも、普通に活動できる
- 動物や、その他のものに変身することはできない
その他、吸血鬼情報
- この作品の中では、「世界中の吸血鬼の数は500~600」だそうな
- 本作の吸血鬼氏によれば、吸血でもっとも難しいのは、「人間の姿のまま相手に噛み付くこと」とのこと
邦訳状況
ハヤカワ文庫「ドラキュラのライヴァルたち」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。