*

杭なき人生

公開日: : 吸血鬼小説

ケビン・J・アンダーソン(Kivin J Anderson)

※ネタバレしています※

ユニヴァーサルスタジオで、「魔人ドラキュラ」の撮影に入っているベラ・ルゴシは、楽屋でモルヒネを注射する。
すると、モルヒネのせいか、急に周囲の様子が変わりだす。気が付くと、ルゴシは古い城の中に居て、目の前に現れた人物が「ヴラド・ドラキュラだ」と名乗る。
城の周囲には、言い伝えられるとおり、串刺しにされた人たちが山をなしていた。

ヴラドは、ルゴシを天使と勘違いし、罪の許しを乞う。
ルゴシは、自分は天使ではないこと、遠い未来から来たこと、許しを与える力は無いことを話し、ヴラドの苦しみにみちた告白を聞く。ルゴシは、真の恐怖がどんなものかを思い知る。
ルゴシは、ヴラドに「もう人を殺すな」と言い、「互いに恐怖から学ぼう」と呼びかける。
ヴラドはルゴシの言葉を理解し、「一度も死んだことが無い者にしては知恵者だ」と言う。
ルゴシのモルヒネが切れ始め、二人は別れを告げる。

モルヒネから醒めたルゴシは、モルヒネに逃避することをやめようと、心に決める。
ドラキュラと、ドラキュラスターとの会見は、果たしてルゴシの夢だったのか? それとも、二人は本当に時空を超えて出会ったのだろうか。

●この作品は、「吸血鬼小説」ではなく、「ドラキュラ小説」である。なぜなら、本作のドラキュラは、吸血鬼だとは、一言も書かれていない。

●しかし、ベラ・ルゴシが何者か、ヴラド・ツェペシュが何者かという予備知識が無い人は、本作を真に楽しむことは難しいかもしれない。

●吸血鬼ファンにとっては、ヴラドとルゴシが「ドラキュラ」「ルゴスのベラ」と呼び合うのは、嬉しすぎて辛抱たまらんものがある。

●作者は吸血鬼ファンなのだろうか?

《邦訳状況》
●竹書房文庫「妖魔の宴 ドラキュラ編2」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。

関連記事

蝙蝠

岡部道男作の、「ドラキュラ三話」の一つ。 ※ネタバレしています※ 母親に叱られて家に帰れ

記事を読む

吸血鬼の夢

ディック・ロクティ作 ※ネタバレしています※ 引退した俳優(吸血鬼が当たり役だった)バイ

記事を読む

死霊の恋

テオフィエル・ゴーチェ作 ※ネタバレしています※ ストーリー 青年僧ロミュオーは、

記事を読む

ヴラド・ツェペシュが登場する小説リスト

ドラキュラ伯爵のモデル、ブラド・ツェペシュが登場する作品のリストです。 (会話の中などに出るだけで

記事を読む

スタイルの問題

ロン・ディー(Ron Dee)作 ※ネタバレしています※ 子供の頃から吸血鬼映画が好きな

記事を読む

ランプリング・ゲートの主

アン・ライス(Anne Rice)作 ※ネタバレしています※ リチャードとジュリーの兄妹

記事を読む

墓からの悪魔

ロバート・E・ハワード作 ※ネタバレしています※ テキサスの農夫、スティーヴは、隣人のロ

記事を読む

血の兄弟

チャールズ・ボーモント(Charles Beaumont)作 精神科の医者と、患者スミスの会話

記事を読む

血は命の水だから

F・マリオン・クロフォード(Francis Marion Crawford)作 南イタリアに、

記事を読む

ドラキュラ伯爵が登場する小説リスト

ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」以外の小説で、我らがドラキュラ伯爵が登場する作品のリストです

記事を読む

キャラクターランキング TOP10

当ブログで紹介している「吸血鬼作品に登場するキャラクター」の、

なんとなく画像をアップ その3

なんとなく画像、第三弾。 管理人が、本職の方で作ったものの画像を

なんとなく画像をアップ その2

別ジャンルのブログにアップした画像の中に、「なんとなく、吸血鬼っぽい気

ジェラルディン・ドヴォーラック

吸血鬼映画「魔人ドラキュラ」に出演した女優。ドラキュラの三姫の一人を演

吸血鬼パンツ

↓管理人所有の吸血鬼柄パンツ。 これは、管理人が知人から頂戴

→もっと見る

PAGE TOP ↑