二階の下宿人

レイ・ブラッドベリ

※ネタバレしています※

11歳の少年、ダグラスは、おばあさんが鶏をさばくのを見るのが好きな少年。ダグラスの気にくわないヤツは、二階に下宿しているコーバーマン氏である。
彼は、初めて会ったときから、ダグラスに不吉なものを感じさせる男だったのだ。
コーバーマンは、夜仕事に出て、朝に帰り、昼は寝ている。そして、なぜか金属の「銀」が嫌いらしい。
コーバーマンが下宿するようになってから、町では奇怪な女性の失踪事件や殺人事件が起こっていた。下宿人の一人が、「きっと吸血鬼の仕業だ。銀の弾丸で退治しなければ」というのを聞き、ダグラスはコーバーマンが吸血鬼ではないかと疑惑を抱く。
ある日、ダグラスは、台所から持ち出した包丁で、コーバーマンの体を切り開き、中から色々な臓物を取り出し、おじいさんに見せる。その、人間だったらありえないような臓物に、大人たちは大騒ぎをはじめる。
ダグラスが、最終的にコーバーマンの息の根を止めたものは、自分の貯金箱の中の銀貨だった。

※本作の最後には、コーバーマンの死体を扱う検視官たちの会話があるのだが、彼らは「吸血鬼なのか? バケモノなのか?」と言い合っている。つまり、本作に、「コーバーマンは吸血鬼だった」という説明は無いのである。吸血シーンも無いし、もしもコーバーマンの体から「変な内臓」さえ出なければ、ダグラスの思い込みで終わる話である。
※吸血鬼に、コーバーマンの体から出たような、「変な内臓」(↓に例を挙げてあります)があるという話は聞いたことが無い。しかし、吸血鬼の体内が、普通の人間と違う、という伝承は無いわけではない。ルーマニアの伝説では、「吸血鬼の胸の中に、町が一つある」というものさえある。

●登場する吸血鬼の特徴
・痩せていて、長身
・銀が嫌い
・普通の食事ができる
・ほとんど夜行性だが、日光の中も歩けないことはない
・内臓に、色んな形と色のものがある(例:ピンク色の鎖、紫色の三角形、オレンジ色の四角い箱、ピラミッド型のもの)

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)に収録。宇野利泰訳。
新刊書店で簡単に入手できる。古本屋の100円ワゴンなどにもあると思う。(背表紙は白)

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