生ける亡者の死

E・エヴァレット・エヴァンズ(Edward Everett Evans)

※ネタバレしています※

ロバートは、目覚めて、いつものように愛するリーサの名を呼んだ。
しかし、いつものような返事は無かった。
リーサの寝床を見てみると、彼女の棺の蓋を、倒れてきた杉の大木の枝が貫いていることがわかった。リーサは「死んだ」のだ。

ロバートも、リーサは、300年以上も吸血鬼として存在してきた。
もともとは、平凡な恋人同士だったのだが、ある日吸血鬼ヘンツィック卿の城に迷い込み、自分達も吸血鬼にされてしまったのだ。
二人は、長いこと、ヘンツィック卿の僕だった。しかし、何とか彼の支配から抜け出し、人間に戻りたいと、日々神に祈りをささげた。
すると、彼らの心からの祈りに動かされ、大地の精霊が姿を現す。(精霊は吸血鬼を邪悪なものと感知しているので、普通は吸血鬼になど接触しない)
二人を憐れんだ大地の精霊は、ロバートにヘンツィック卿を倒すための力を授ける。(人間に戻すことは、精霊でも無理)
ヘンツィック卿と対決したロバートは勝利し、二人は自由の身となる。その日から、二人は、呪われた運命ながらも、二人の愛の時間をすごしてきた。

リーサを失っては、ロバートには永遠の時間を生きることに、何の意味も無い。
リーサと同じ方法で死をむかえようと、ロバートは、棺の蓋に、胸に杭が刺さる仕掛けを作る。
ロバートは、リーサの手を握りしめ、名前を呼び、棺の蓋をとめているつっかい棒を外した。

●登場する吸血鬼の特徴
・青白い顔色。
・歯がとがっている。
・死臭がする。
・コウモリに姿を変える。
・夜目がきく。
・ドラキュラ型である。

《邦訳状況》
●ハヤカワ文庫「ドラキュラのライヴァルたち」に収録。小倉多加志訳。現在絶版。
●「ミステリマガジン1978年8月号 №268」吉野美恵子訳。

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