バーバラ・ハムリー作の吸血鬼小説。
ストーリー
※ほんのりネタバレしています
(舞台は、19世紀と思われるイギリス。要するに、ドラキュラ伯爵と同時期のイギリス)
マードリンは、若い弁護士助手のフィリップを吸血して殺した。フィリップの墓の前で、マードリンはフィリップの恋人オリヴィアと対面する。
オリヴィアは、マードリンが、フィリップを殺した吸血鬼であることを見抜き(なぜ見抜けたのか明記されていない)、自分の研究している学問の力で、マードリンに復讐する。
登場する吸血鬼の特徴
- 棺の中で眠る
- 睡眠中に夢は見ない
- 肉体から精神だけ切り離して、人の様子を見聞きしたり、周囲の状況などを探ったり、精神のみの状態で自由に外を歩き回ったりできる(一種のテレパシーのようなこの能力は、吸血鬼にとって非常に有用なのだが、これを逆手に取られてマードリンは滅ぼされることになる)
- 銀が苦手。銀に触れると火傷してしまう
- 殺されても顧みられることのない、貧民層の人間を主に餌食にしていて、中間階級以上の人はまれにしか、年に多くても三人しか襲わない(不審死が続いていると世間に気付かせないため)(でも、一日に、吸血鬼一人につき、だいたい一人は犠牲者が必要らしい。いくら世間に顧みられない人々を襲ったとしても、絶対世間に気付かれるだろうと思う)
- 人間を蔑んでいる
- 血だけではなく、コーヒーも飲める
- 日の光を浴びると燃え尽きる
邦訳状況
- 扶桑社ミステリー「死の姉妹」に収録。小林理子訳。