ペーター・キュルテン

デュッセルドルフの吸血鬼」として有名になった殺人鬼。1883年生、1931年没。
1914年から1930年の間に、計8人の人間を殺している。それ以前にも、多数の窃盗や暴行をはたらいており、たびたび警察のご厄介になる人生だった。

キュルテンは、被害者の血を見ること、血を飲むことを好んだ。そのために、「吸血鬼」の別名を付けられることとなった。
彼の吸血方法は、手や、胸、首、こめかみを傷つけて、そこから直接血をすするというもの。

キュルテンは、暴行した女性の証言で警察に捕まり、1931年にギロチン刑となった。彼は、自分の死刑執行に大きな興味を寄せ、「自分の血が流れる音を自分で聞けるものか?」と質問したと言われている。
また、彼は取り調べで「自分に良心は無い」と語っている。いわゆるサイコパスというものだったのだろう。

捉えられたキュルテンの証言は、一部だが出版されたものを日本でも読むことができる。「ちくま哲学の森 悪の哲学」に、キュルテンの「尋問調書・補遺」が収録されているからである。
しかし、「尋問調書・補遺」を、吸血鬼的な情報を求めて読むと肩透かしを食らうことになる。証言の中に、特に吸血に言及されている言葉は無い。ただし、快楽目的の連続殺人鬼の言葉、サイコパスの犯罪語り、彼自身の自分の犯罪の理由付けなどは、生の証言が読めるので、「吸血鬼の証言」ではなく、「シリアルキラーの証言」を読みたい向きにはお勧めする。ページ数で言うと7ページ分の短いものだが、何しろ本物の、本人の証言として貴重である。

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