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吸血鬼の家族

公開日: : 最終更新日:2014/11/18 吸血鬼小説

A・K・トルストイ

※ネタバレしています※

デュルフェ侯爵は、若かりし日の出来事を語りだした。
「1759年のこと、任地に赴くための旅の途中、セルビアのある村に泊まった。泊まった家の家長ゴルシャは、10日前に、盗賊退治に山に入ると言い出し、10日以上たってから自分がもどったら、それは吸血鬼=ヴルダラークだから、で退治してくれと言って出かけた、という。
デュルフェが泊った夜に(つまり10日目の夜に)、ゴルシャが帰ってくるが吸血鬼になっており、夜な夜な現れては孫たちを吸血する。数日後、子供を殺されたゲオルギエは、ゴルシャに杭を打って葬った。
そんな吸血鬼騒動のさなか、デュルフェはゴルシャの娘ズデンカに惹かれていくが、旅を続けるために出発する。
半年後に、任地からの帰り道、同じ村を通りかかり、修道院でゴルシャの一家についてたずねると、家族中が吸血鬼になってしまったので近づくなという。それにかまわずゴルシャの家に行くと、ズデンカが現れるが、彼女は十字架に嫌悪感を見せる。
彼女に吸血鬼化に気付き、あたりを見回すと、家は吸血鬼たちに取り囲まれていた。隙を見て馬に乗り、家をあとにするが、吸血鬼たちは追いかけてきた。夜が明けるまで必死に馬を走らせ、難を逃れることができた」

●登場する吸血鬼の特徴
・ヤマナラシの木の杭で退治することができる?
・家族、友人などの、親しい人の血を吸う
・血を吸われた人間も吸血鬼になる
・犬には、人間でなく吸血鬼だと感知できるらしい
・食べ物、飲み物を受け付けない
・首から血を吸う
・十字架が苦手

●その他
・作中で、ドン・オーギュスタン・カルメの著書について触れている
・ゴルシャは、最後の場面では、杭を引きずりながらデュルフェを追ってくる。つまり、ヤマナラシの杭は、効いていないようだ
・本作は、最後の吸血鬼の大集団が追ってくるところの恐ろしさがすばらしい。特に、ズデンカが馬に飛び乗ってくるところ、子供の吸血鬼が馬の首にぶら下がってくるところが秀逸。これを、誰か映画にしてくれないものか。

《邦訳状況》
●河出文庫「ロシア怪談集」粟原成郎訳 版元品切・重版未定だが、まだ新刊書店でも入手可能(背表紙は、白に赤文字)
●国書刊行会「世界幻想文学大系34」訳 現在絶版 古書では見かけるが、全集の一部なので、本書だけを探すより、上記の河出文庫を探す方が現実的。(買わなくても読めればいい人は、図書館の全集コーナーを探してみて)

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