吸血鬼の夢

ディック・ロクティ

※ネタバレしています※

ストーリー

引退した俳優(吸血鬼が当たり役だった)バイロン・ルスヴェンは、映画プロデューサーのロレンツォ(葬儀屋で儲けた金で、映画の事業もしている)の依頼で、新しい吸血鬼映画「吸血鬼の夢」に出演することになる。
映画の原作者、エマは、紹介されたルスヴェンと話し、恋をしてしまう。

エマはルスヴェンの引退にまつわる噂を聞く。
25年前、ルスヴェンの恋人が、血を抜かれた変死体になって見つかり、「吸血鬼殺人」と騒がれた。それを境にルスヴェンは引退したらしい。

「吸血鬼殺人」を気にするエマを、ロレンツォは「自分の考えを聞かせよう」と言って家に呼び、暴行しようとする。
エマは、ロレンツォを殴りつけて脱出し、ルスヴェンのもとに逃げてくる。

ルスヴェンは、エマから
「ロレンツォが、本物の吸血鬼は死体置き場の裏の小部屋にしかいないと言った」
と聞き、ロレンツォの家に向かう。

ルスヴェンは、エマに殴られて倒れていたロレンツォを起こし、
「ジャネットを殺したのはお前だ。葬儀屋の設備(死体置き場の裏の小屋)で血を抜いたんだろう」
と詰問する。

ロレンツォは、ルスヴェンに銃を向け、自分の罪を認める。そして、引き金を引くが、ルスヴェンは死なない。
ルスヴェンの犬歯は、まるで映画の特殊効果のように伸び、ロレンツォの血を吸い取った。

登場する吸血鬼の特徴

  • 血だけでなく、マーティニも飲める。普通の料理も食べられる
  • 基本的には夜しか行動しない(昼も多少は動ける)
  • 銃で撃たれても死なない
  • 犬歯は、必要なときだけ伸ばす

邦訳状況

竹書房文庫妖魔の宴 ドラキュラ編2に収録。小倉多加志訳。現在絶版。

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