魚網

吸血鬼になる可能性が高い死者の棺に、あらかじめ魚網を入れておくと、吸血鬼は棺から出てこられないので、その被害に遭わずに済む。

「出てこられない」というか、蘇ろうとする吸血鬼は、棺の中の魚網の網目を、年に一個ずつほどいていくのだという。それが全部ほどけて、網でなくなる日が来ないと、棺から出られないのだという。
つまり、この魚網作戦は、棺の中に足止めをくわせているだけで、吸血鬼を退治できる方法ではないのである。
魚網を全部解いたあかつきには出てくるので、当然魚網は大きくて、小さな結び目が、「無限?」というくらいぞろーーっと付いているものが望ましい。

力の弱い人間にもできる実践的な吸血鬼避けだが、作業が地味なためか、小説や映画などの、フィクションの吸血鬼に用いられることが少ない。

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