吸血鬼の村

エドモンド・ハミルトン

※ネタバレしています※

ストーリー

バートンとクロフトの二人は、トランシルヴァニアのクランザック村で一夜の宿を求めようとするが、どの家も十字架を掲げ、
「今夜は吸血鬼の夜(=聖ジョージの夜)だから泊められない。今夜人を泊めるのは、ウィースラント村の人だけだ」
と断られてしまう。

仕方なく、ウィースラントに向かい、やっとたどり着くと、そこでは村人が集まって踊り狂っていた。その中から、村の長ハロスが出てきて、二人を歓迎し、宿に案内する。

村長は、バートンの持っている十字架を見て、
「夕食時には、それは部屋に置いてきた方がいい」
という(祭りの夜に、信心深いのは野暮らしい)。しかし、バートンは、うっかり十字架を持ったまま夕食の席についてしまう。

すると、宿屋に集まってきた村人たちは、なぜかバートンを避けてクロフトの周りにしか集まらない。
女性たちにまとわりつかれたクロフトは、上機嫌で踊りに行ってしまい、クロフトは一人部屋に戻る。そして、ガイドブックに、「ウィースラントという無人村が、吸血鬼の村と呼ばれている」との記述を見つける。

驚いてクロフトにこのことを伝えに行こうとすると、クロフトはハロスとカラントに噛み付かれそうになっていた。
十字架で、吸血鬼どもを追い払い、夜明けを待つと、朝日の中で村は朽ち果てた廃墟に姿を変えた。

登場する吸血鬼の特徴

  • 十字架が苦手
  • 真っ赤な目をしている
  • 昼は寝ていて、夜に活動する。ただし、墓の上で司祭が「吸血鬼を十字架で墓に縛り付ける儀式」をすると、その吸血鬼は聖ジョージの日の夜にしか活動できなくなる(聖ジョージの日の夜には、吸血鬼だけでなく、村ごと復活する姿が描かれている)

邦訳状況

原書房「吸血鬼伝説 ドラキュラの末裔たち」に収録。江本多栄子訳。

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